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感電事故が多い季節は?プロの電気工事士も一般家庭でも役に立つ、感電事故を防ぐためのリスク認識を知りましょう

こんにちは。練馬区桜台の電気工事会社「株式会社コイデン」です。
今回は、とても恐ろしい感電事故についての情報です。

感電事故は、電気工事現場だけでなく、一般家庭でも起こり得る重大な危険です。
特に季節によって発生件数が増える傾向があり、電気工事士の現場経験でも「この時期は気をつけないと…」と意識が高まる瞬間があります。

この記事では、感電事故が多い季節とその理由、そしてプロも実践する予防策を、一般家庭でも役立つ形で解説します。
最後には、自宅でできる感電防止チェックリストも掲載します。


1. 感電事故が多い季節はいつ?

夏(梅雨〜真夏)に集中する理由

感電事故の発生件数は、梅雨時期から真夏にかけて増加します。
その理由は主に以下の通りです。

  1. 湿度の上昇による絶縁低下
    水分は電気を通しやすくします。空気中の湿度が高いと、配線や工具の表面に付着した水分が絶縁性能を低下させ、感電リスクを高めます。

  2. 屋外作業・水回り作業の増加
    夏はエアコン設置や屋外コンセントの工事、庭のポンプやイルミネーションの設置など、水や汗に触れながら作業する場面が増えます。

  3. 汗による人体抵抗値の低下
    人の皮膚は乾燥しているときは数千〜数十万Ωの抵抗がありますが、汗や水で濡れると一気に数百Ωまで低下します。これにより微量な電流でも感電を感じやすくなります。


2. 季節別の感電リスクと事例

季節 主なリスク 典型的な事故例
新生活での電気製品設置、DIY作業の増加 コンセント増設DIY中に感電
梅雨 高湿度による絶縁低下 湿った延長コードからの漏電
屋外・水回り作業、汗による抵抗値低下 エアコン室外機配線中に感電
台風後の復旧作業 停電復旧時の感電
結露、暖房器具周辺の水漏れ 加湿器周りの延長コードからの漏電

3. 感電の危険性と人体への影響

感電の危険性は、電圧だけでなく「流れる電流の大きさ」と「流れる経路」によって変わります。

  • 1mA〜5mA:軽いしびれ

  • 5mA〜15mA:筋肉のけいれん、手が離せなくなる

  • 30mA以上:呼吸困難、心室細動の可能性

  • 100mA以上:極めて危険、短時間で致命的

※一般家庭の100Vコンセントでも条件が揃えば命に関わる感電は十分起こり得ます。


4. プロの電気工事士が行う感電防止策

4-1. 作業前の電源遮断と確認

  • ブレーカーを必ず落とす

  • 電圧検電器やテスターで無電圧を確認

  • 他の人が勝手に電源を入れないよう施錠や表示を行う

4-2. 絶縁保護の徹底

  • 絶縁手袋・絶縁靴の着用

  • 工具は必ず絶縁仕様のものを使用

  • 作業服や手袋が濡れていないか確認

4-3. 作業環境の管理

  • 足元が濡れていないかチェック

  • 金属製の足場やハシゴ使用時はゴムシートや絶縁材を敷く

  • 屋外作業は天候を考慮して日程調整


5. 一般家庭での感電事故予防法

5-1. コンセント・プラグの点検

  • 焦げ跡、変形、緩みがないか確認

  • 水や湿気がかからない位置に設置

  • 使用しないときは防水カバーを使用(屋外)

5-2. 延長コードの安全管理

  • 屋外での使用は必ず防水仕様のもの

  • たこ足配線は避ける

  • 巻いたまま使用しない(発熱・絶縁低下の原因)

5-3. 水回りでの電化製品使用

  • 洗面所やキッチンでは漏電遮断器付きコンセントを使用

  • 水滴や湯気がかかる場所には電化製品を置かない

  • 掃除の際は必ずコンセントを抜く


6. 子どもや高齢者がいる家庭での注意点

  • コンセントキャップでイタズラ防止

  • 延長コードは届かない位置に設置

  • 高齢者は感電を自覚しにくい場合があるため、家族で定期的にチェック


7. 自宅でできる感電防止チェックリスト

項目 頻度 チェック内容
コンセント点検 月1回 焦げ跡やぐらつきの有無
延長コード点検 月1回 被覆破れ、断線の有無
漏電遮断器作動確認 半年に1回 テストボタンで作動確認
家電の清掃 必要時 水滴や埃の付着除去
屋外設備の防水確認 梅雨前・冬前 防水カバーやパッキン劣化

まとめ

感電事故は、夏場や湿度が高い季節に増える傾向があります。
これはプロの電気工事士の現場感覚だけでなく、事故統計でも裏付けられています。

しかし、正しい知識と予防策を身につければ、感電事故は大きく減らすことができます。
この記事で紹介した方法は、工事現場でも家庭でも有効です。

日々のちょっとした意識が、命を守る大きな一歩になります。
「感電は特別な事故ではない」という認識を持ち、今日から安全対策を始めましょう。

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