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電気は私たちの生活に欠かせないインフラです。しかし、「単相」「三相」「100V」「200V」「電灯」「動力」といった言葉は、家庭や工場、店舗で電気を使う上で必ず関わる用語なのに、一般の方にはなじみが薄いのが実情です。
家庭でエアコンやIHクッキングヒーターを使うとき
店舗で業務用冷蔵庫やエアコンを導入するとき
工場で機械を動かすとき
このような場面で「どの電気を契約すればよいのか?」を理解していないと、後から契約変更や追加工事で余計なコストが発生してしまいます。
この記事では、電気工事士の立場から「電気の種類と用途」「契約時に必要な知識」を体系的に解説します。
家庭の主婦の方にも分かりやすく、施工管理担当者にも実務で役立つように、丁寧にまとめました。
まず最初に押さえるべきは「単相」と「三相」です。
一般家庭で使用される方式
電柱から2本の線(+と−)で電気を供給
安定して100V、または200Vを利用可能
家庭用電化製品の大半は単相
👉 主婦がよく使う家電(炊飯器、電子レンジ、掃除機など)はすべて単相100Vです。
👉 エアコンやIH、エコキュートなど一部の家電は単相200Vで動作します。
工場や商業施設で使われる方式
電柱から3本の線で電気を供給(電流が3相分流れる)
モーターを効率よく回転させられるため、大型機械や業務用エアコンに必須
消費電力が大きくても安定して供給可能
👉 工場の機械やコンプレッサー、業務用冷蔵庫などは三相200Vが必要です。
👉 電動工具やポンプなど、動力用途では三相が基本です。
項目 | 単相100V/200V | 三相200V以上 |
---|---|---|
主な用途 | 家庭用家電、住宅設備 | 工場機械、大型空調、業務用設備 |
電柱からの線 | 2本 | 3本 |
メリット | 家庭で使いやすい | 大電力でも効率よく供給可能 |
デメリット | 大電力には不向き | 設備工事や契約が必要 |
日本の家庭用電源は「100V」が一般的ですが、最近は「200V」を使う家電も増えています。
家庭用コンセントで使用する標準的な電圧
電気代は「電力量(kWh)」で決まるため、100Vと200Vで大きな差はない
延長コードやタップでも手軽に利用可能
👉 テレビ、炊飯器、掃除機などは100V。
電圧が高いため、同じ電力をより少ない電流で供給可能
モーター効率が高く、大型家電に適している
専用コンセントや専用ブレーカーが必要
👉 エアコン(大型)、IHクッキングヒーター、エコキュート、EV充電器など。
項目 | 100V | 200V |
---|---|---|
主な用途 | 小型家電、照明 | 大型家電、設備 |
導入のしやすさ | 標準 | 専用工事が必要 |
電力効率 | 電流が大きくなりやすい | 少ない電流で済む |
安全性 | 感電リスクは比較的低い | 感電リスクが高まる |
電気を契約する際、よく出てくるのが 「電灯契約」と「動力契約」 です。
一般家庭や事務所で使う契約
単相100Vまたは200V
照明、コンセント、家庭用家電に使用
三相200Vで供給される契約
工場、店舗、業務用設備で利用
大型モーター、ポンプ、エアコンなど
契約種別 | 電圧・相数 | 主な用途 | 利用場所 |
---|---|---|---|
電灯契約 | 単相100V/200V | 照明・家電 | 家庭・事務所 |
動力契約 | 三相200V | 機械・モーター・大型空調 | 工場・商業施設 |
家庭や店舗で電気を契約する際には、以下の点に注意しましょう。
使用する機器の電圧と相数を確認する
家庭用エアコン:単相200V
業務用エアコン:三相200V
専用回路が必要かを確認
大型IHやEV充電器などは専用配線工事が必須。
契約アンペア数を見直す
家庭では30〜50Aが一般的。
機器が多い場合はブレーカーが落ちやすいため契約変更が必要。
電力会社との契約種別
家庭 → 電灯契約
店舗や工場 → 電灯+動力の併用が多い
Q1. 200Vの家電を100Vのコンセントに差したら?
👉 動きません。最悪の場合、故障や火災の原因になります。
Q2. 三相200Vの機械を家庭に導入できる?
👉 基本的には不可。三相の契約を結び、配線工事が必要です。
Q3. 電灯契約と動力契約を併用できる?
👉 可能です。多くの工場や店舗は両方を契約しています。
単相は家庭用、三相は業務用
100Vは一般家電、200Vは大型家電や設備
電灯契約は照明・家電、動力契約は機械やモーター
契約前に「使用機器」「専用回路」「契約種別」を必ず確認すること
電気の契約や工事は「専門的でわかりにくい」と感じる方が多いですが、仕組みを知るだけで無駄な工事費や契約変更を防ぐことができます。
この記事は保存版として、家庭の主婦の方から施工管理のプロまで、何度も見返していただける内容にしました。