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オフィスやクリニックで注意!電気容量不足が招くトラブル事例

こんにちは。練馬区桜台の電気工事会社「株式会社コイデン」です。

オフィスやクリニックでは、パソコン・複合機・空調機器・医療機器など、多くの電気製品が同時に使用されています。
「最近ブレーカーがよく落ちる」「機器の調子が安定しない」――その原因は、電気容量不足かもしれません。

電気容量不足は単なる不便さにとどまらず、業務停止や高額な機器故障、さらには火災リスクを招くこともあります。

この記事では、

  • 電気容量不足が起こる原因

  • 実際のオフィス・クリニックでのトラブル事例

  • 容量不足を放置するリスク

  • 対策と工事費用の目安

を電気工事士の視点で詳しく解説します。


1. 電気容量不足が起こる原因

1-1. 契約アンペア数が低い

小規模オフィスやクリニックでは、30Aや40A契約のまま運用しているケースが多く、現代の機器数には不足しています。

1-2. 専用回路がない

医療機器やサーバーなどは本来専用回路が必要ですが、共用回路に繋がれていると過負荷になりやすいです。

1-3. 築年数が古い建物

築20年以上の建物では、配線や分電盤が古く、容量設計が現代のオフィス使用に追いついていません。


2. オフィスやクリニックで実際に起きたトラブル事例

事例1:小規模オフィスでのサーバーダウン

  • 状況:コピー機・エアコン・サーバーを同じ回路で使用

  • 問題:午後の業務中にブレーカーが頻繁に落ち、サーバーが強制終了 → データ破損

  • 対策:サーバー専用回路を新設

  • 効果:安定稼働を実現、業務中断リスクを解消


事例2:クリニックでの医療機器トラブル

  • 状況:心電図やレントゲン機器を一般回路で使用

  • 問題:同時稼働時に電圧降下が発生、測定値に誤差が出る

  • 対策:医療機器専用回路+分電盤更新

  • 効果:測定値が安定し、医療精度を確保


事例3:美容クリニックでの火災未遂

  • 状況:高出力脱毛器を複数台、延長コードで同時使用

  • 問題:配線が過熱し、コンセントが焦げる → 火災寸前

  • 対策:専用回路増設・コンセント交換

  • 効果:安全性が確保され、顧客への信頼を維持


3. 容量不足を放置するとどうなる?

3-1. 業務の中断

ブレーカーが落ちるたびに、パソコン・医療機器・照明が停止 → 業務効率の低下、患者・顧客対応に支障。

3-2. 高額機器の故障

電圧降下や過負荷は、サーバーや医療機器などの精密機器にダメージを与え、修理費用が数十万円〜数百万円に。

3-3. 火災・感電リスク

過負荷で配線が発熱 → 火災に発展するケースも。従業員・顧客の安全を脅かします。


4. 容量不足を解消するための対策

4-1. 契約アンペア数の増設

  • 電力会社に申請し、30A→50Aや100Aに増設可能

  • 費用:無料〜3万円程度

  • ※材料費などの諸経費は別途


4-2. 専用回路の新設

  • サーバー、医療機器、エアコンなどに専用回路を設ける

  • 費用:1回路 15,000〜30,000円程度

  • ※材料費などの諸経費は別途


4-3. 分電盤交換

  • 漏電遮断器付きの最新型に更新

  • 費用:5〜10万円程度

  • ※材料費などの諸経費は別途


4-4. 配線更新

  • 古い配線を新しいVVFケーブルに交換

  • 費用:1回路数万円〜、全体では数十万円

  • ※材料費などの諸経費は別途


5. 自分でできる容量不足チェック

  • 業務中にブレーカーが落ちることがある

  • コンセントにタコ足配線を多用している

  • 医療機器やサーバーを一般回路で使っている

  • 築20年以上の建物で分電盤を一度も交換していない

→ これらに当てはまれば、容量不足や配線老朽化の可能性大。


まとめ

オフィスやクリニックにおける電気容量不足は、業務停止・高額機器の故障・火災リスクといった深刻なトラブルにつながります。

  • 契約アンペア数の見直し

  • 専用回路の新設

  • 分電盤や配線の更新

これらを行うことで、業務を安定させ、安全性と信頼性を確保できます。
「まだ大丈夫」と放置せず、早めの点検・整備をおすすめします。

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