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街の自販機、電気代ってどれぐらい?意外なその金額

街なかでいつでも飲み物が買える自動販売機(以下、自販機)は、便利さの象徴。しかし、その裏側でどれほどの電気を消費し、どれだけのコストがかかっているかご存じですか?意外にも、家庭で使う家電を上回る消費電力を要することも。

この記事では、自販機の電気代を最新のデータでわかりやすく解説。夏の時期にはさらに消費電力が増える傾向があるんです。冷房や冷蔵庫と比較しながら、自販機がどれだけ“電気食い”なのか、ご紹介していきます。


1. 自販機の電気代はいくら?

まずは、自販機の電気代の一般的な目安から見ていきましょう。

  • 飲料用自販機(常温):月額1,000円〜3,000円程度が一般的

  • 冷凍自販機:庫内を冷やし続けるため、月額7,000円〜8,500円程度

さらに、「標準機の消費電力」は500W〜1,000W程度とされ、稼働中は最大電力を常に使っているわけではありませんが、冷却や照明などの運転が絶えず続くため、電力負荷は大きいです

また、省エネ技術の進化により、最新型は電力効率が大幅に改善:

  • 2005年式の自販機は年間消費電力約1,640 kWh、年額は約50,000円。

  • 2020年式は約565 kWh、年額は約20,000円。つまり、新型に替えるだけで年間3万円以上の削減が可能です

つまり、最新の自販機なら、月2,000円前後がリアルな目安と考えられます 。


2. 夏の消費電力はどう変わるのか?

夏の時期は自販機にとって「冷えとの戦い」。外気温が高いため、庫内温度を一定に保つための冷却負荷が増します。このため、年間平均よりも電力消費が増加することがあります。

一方、冬は冷やす+温める機能が必要になり、逆に電力使用がさらに増えるケースも

そのため、夏場だけでなく季節に応じた省エネ対策やプラン選定が重要です。例えばヒートポンプ機能のある機種に替える、ピークシフト運用を取り入れるなどの対応があります 。


3. 夏の家計電気代と比較!どれくらい違う?

夏の家庭の電気代と比較して、自販機の電気代がどれくらいか見てみましょう。

家庭の夏の電気代(目安)

総務省の家計調査によると、夏季(7〜9月)の電気代は以下の通り

世帯人数 7月 8月 9月
単身 ¥6,771
2人 ¥8,972 ¥10,999 ¥12,226
4人 ¥10,949 ¥13,047 ¥14,996

つまり、夏の家庭の電気代は約6,800円〜21,000円が目安です。

夏の代表的家電の電気代

  • エアコン(冷房):1時間あたり800Wを使用すると、約21.6円(電気料金27円/kWhの場合)1日4時間使用で約86円、月にすれば約2,600円。

  • 冷蔵庫:常時稼働しており、月3,000〜5,000円程度かかる家庭もあります(具体数値は電力消費一覧表の項目参照)

自販機との対比

  • 飲料自販機:月2,000円前後 → 家庭のエアコン1台分に相当。

  • 冷凍自販機:月7,000〜8,500円 → 家庭の冷蔵庫と同等レベル。

自販機1台だけで、家庭の主要家電1台分の電気代がかかることがわかります。


4. 意外なポイント:消費電力量の規模感

自販機の「見えない」影響は、電気代だけじゃありません:

  • 年間消費量で比較:飲料自販機1台が年間700〜800 kWh消費。これは家庭2〜3ヶ月分の電力量に相当します

  • 日本全国の自販機は数百万台規模で稼働しており、その総消費電力量は、原子力発電所1基分と同等の瞬間電力を必要とすることもあるほどです

つまり、個々の電気代の差以上に、社会全体への電力負荷にも大きなインパクトがあります。


5. まとめ

街角で何気なく立ち止まり、自販機で飲み物を買う——その陰には、意外にも家庭の家電レベルの“電力消費”が隠れています。月2,000円程度なら、小さい負担に思えますが、年間700 kWhとなれば、しっかりと意識すべき数字です。

最新の省エネ型自販機は電気代も抑えられ、ヒートポンプやピークシフト運用などを採用することで、さらなる効率化が可能。もし地域や店舗運営に関わっている方であれば、こうした設備更新や契約プランの見直しが大きな省エネとコスト削減につながります。

自販機の電気代、意外と“夏に強く”ないことも知っておくと、夏の電力を賢く使う指針にもなりますね。

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