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夏の必需品であるエアコン。新しく設置しようとしたとき、工事業者から「専用回路が必要です」と言われて戸惑った経験はありませんか?
実は、エアコンの取り付けには**専用回路(ブレーカーから直接エアコンまで配線された回路)**が推奨されています。
もし専用回路がなく、既存のコンセントをそのまま利用すると、ブレーカーが落ちる・配線が過熱する・火災リスクが高まるといった問題が起きかねません。
この記事では、
エアコン専用回路が必要な理由
家庭の電気容量を確認する方法
実際にあった容量不足の事例
専用回路を新設する際の費用や工事内容
を、電気工事士の視点から詳しく解説します。
目次
6畳用エアコンでも運転時に約500〜800W、14畳用以上では1,400Wを超える消費電力があります。
電子レンジ(1,000W前後)やドライヤー(1,200W)と同時使用すれば、すぐに容量オーバーです。
専用回路がない場合、エアコンと他の家電が同じ回路で使われます。
すると、回路の許容電流を超えてしまい、ブレーカーが落ちたり配線が発熱して火災につながる恐れがあります。
配線が長く細いと、エアコンに届く電圧が下がります(電圧降下)。
電圧が下がるとエアコンは必要な出力を維持するために電流を多く流し、効率が悪化して電気代が高くなるのです。
分電盤のメインブレーカーに「30A」「40A」などと記載されています。
東京電力など一部地域では、契約アンペア数が明記された「アンペアブレーカー」が設置されています。
例:
30A契約 → 同時に使える電力は約3,000W
40A契約 → 約4,000W
分電盤のラベルに「エアコン」「クーラー」と書かれた子ブレーカーがあるかチェック
コンセントが「200V用」かどうか(大型エアコンでは必要)
エアコン専用回路では通常 2.0mm(VVF2.0) の配線を使用
既存配線が1.6mmだと、容量不足で危険
※配線確認は感電の危険があるため、必ず電気工事士に依頼してください。
エアコン+電子レンジ+ドライヤーを同時使用 → すぐに落ちる。
生活に支障が出るだけでなく、ブレーカーや家電の寿命を縮めます。
許容以上の電流が流れると、配線が発熱し、被覆が溶けて火災に至るケースも。
総務省消防庁の統計では、電気配線やコンセントが原因の火災は毎年1,000件以上発生しています。
電圧降下でエアコンが効率を落とし、電気代が上がるだけでなく、コンプレッサーに負荷がかかって故障の原因に。
既存回路を使用した結果、ブレーカーが毎日落ちる
調査すると配線が1.6mmで容量不足
専用回路を新設し、正常稼働&電気代が月2,000円減少
エアコンと電子レンジを同じ回路で使用
配線が発熱し、壁内で焦げ跡が発見される
専用回路新設+分電盤交換でリスク回避
安全性の向上
→ 過負荷や火災を防止
快適性の確保
→ ブレーカーが落ちない、安定稼働
省エネ効果
→ 電圧降下を防ぎ、電気代を削減
家電寿命の延長
→ 無理な負荷をかけず長持ちさせる
分電盤から配線を引き、エアコン専用コンセントを設置
費用:30000~50000円程度(距離や壁内配線の有無で変動)
古い分電盤を最新型(漏電遮断器付き)に交換
費用:5〜10万円
古い1.6mm配線を2.0mm以上に交換
費用:1回路あたり数万円
エアコン設置業者から「専用回路が必要」と言われた
ブレーカーが頻繁に落ちる
コンセントに焦げ跡・異臭がある
築30年以上で配線の点検を一度もしていない
これらが当てはまる場合は、迷わず電気工事士に依頼しましょう。
エアコンは消費電力が大きいため、専用回路の設置が安全・快適な使用のカギとなります。
容量不足や古い配線を放置すると、ブレーカーが落ちるだけでなく、火災や家電故障といった重大トラブルにつながります。
契約アンペア数を確認する
専用回路の有無をチェックする
不安があればプロに依頼する
エアコン設置は「快適さ」だけでなく「家庭の安全性」を見直すチャンスです。
ぜひ、この機会にご自宅の電気容量をチェックしてみてください。