オフィシャルブログ

【東京都2026年】マンションのEV充電設備に使える助成金|管理組合が確認すべきポイント

こんにちは。練馬区桜台の電気工事会社『株式会社KOI-DEN』です。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及に伴い、マンションでもEV充電設備の設置を検討するケースが増えています。

しかし、集合住宅へのEV充電設備の導入は、戸建住宅の工事とは異なります。

管理組合での合意形成、駐車場の利用方法、電気容量、配線経路、利用料金の徴収方法など、設備を設置する前に整理すべき項目が数多くあります。

さらに、充電設備専用の電力契約を新たに結ぶ場合は、設備をあまり利用しない月でも電気料金の基本料金が発生する可能性があります。

東京都では、2026年度も集合住宅へのEV充電設備導入を支援する助成制度を実施しています。

設備購入費や設置工事費だけでなく、一定の条件を満たす分譲マンションでは、新たに契約した電気料金の基本料金についても最大3年間の助成を受けられる可能性があります。

今回は、東京都の2026年度EV充電設備助成について、主な助成内容と、マンションの管理組合が設置前に確認すべきポイントを分かりやすく解説します。

※この記事は2026年7月26日時点で公表されている情報をもとに作成しています。

 

東京都マンションのEV充電助成金

東京都はマンションのEV充電設備導入を支援している

東京都は、都内で販売される新車乗用車を2030年度までに100%非ガソリン化する目標を掲げ、集合住宅などへのEV充電設備の普及を支援しています。

2026年度は、2026年6月26日から申請受付が開始されました。

助成対象には、主に次のような費用があります。

・EV充電設備の購入費
・充電設備の設置工事費
・通信機能付き充電設備の導入費
・将来の充電設備増設を見据えた先行配管工事
・一定規模以上の設備導入に伴う受変電設備の改修費
・機械式駐車場へ設置する場合の関連工事費
・条件を満たす場合の電気料金の基本料金

設備の種類や設置場所、充電器の出力、設置台数によって助成率や上限額は異なります。

そのため、「マンションに充電器を付ければ一律でいくら受け取れる」という制度ではありません。

実際の助成額は、設置する設備と工事内容を整理したうえで確認する必要があります。

普通充電設備の工事費も助成対象

マンションの駐車場では、一般的に普通充電設備や充電用コンセントが導入候補になります。

東京都の2026年度制度では、集合住宅へ設置する普通充電設備の購入費について、原則として助成対象経費の2分の1が助成対象です。

設置工事費については、設備の種類や設置場所に応じた上限の範囲内で、助成対象経費の全額が支援される仕組みです。

普通充電設備の工事費に関する主な上限は、次のように設定されています。

充電用コンセントを設置する場合

・1基目:上限95万円
・2基目以降:1基あたり上限48万円

コンセント以外の普通充電設備を設置する場合

・1基目:上限135万円
・2基目以降:1基あたり上限68万円

機械式駐車場へ設置する場合

・1基目:上限171万円
・2基目以降:1基あたり上限86万円

これらは充電器本体の販売価格ではなく、助成対象となる設置工事費の上限です。

実際の助成額は、配線距離、配管方法、分電盤や受電設備の改修、駐車場の構造などによって変わります。

また、国の補助制度で承認された設備であることなど、対象機器にも条件があります。

見積もりを取る際は、設置予定の機種が東京都と国の助成要件を満たしているか確認しましょう。

将来の増設に備えた先行工事も対象

マンションでは、最初からすべての駐車区画へ充電器を設置するのが難しい場合があります。

現在EVを所有している居住者が少ない段階では、まず数台だけ充電器を設置し、将来の利用者増加に合わせて追加する方法も考えられます。

東京都の制度では、将来の充電設備設置を見据えた先行工事も助成対象です。

主な上限額は次のとおりです。

・平置き駐車場など:1区画あたり上限7万円
・機械式駐車場:1区画あたり上限30万円

先行工事とは、将来充電器を追加できるよう、あらかじめ配管や配線経路などを整備しておく工事です。

駐車場の舗装や壁を何度も壊して工事する必要がなくなるため、中長期的には工事費や居住者への影響を抑えられる可能性があります。

ただし、配管だけ設置しても、受電設備や幹線の容量が不足していれば充電器を増設できません。

先行工事を行う場合は、将来何台程度まで増やすのかを想定し、電気容量も含めて計画することが重要です。

電気料金の基本料金も最大3年間助成

マンションに複数のEV充電設備を設置する場合、建物の既存電力契約とは別に、充電設備専用の電力契約を新しく結ぶことがあります。

この方法には、既存の共用部契約への影響を抑えやすいという利点があります。

一方で、充電設備の利用が少ない月でも、契約内容に応じた基本料金が発生します。

東京都の「マンション充電設備普及促進事業」では、一定の条件を満たす分譲マンションを対象に、新たに契約した電気料金の基本料金を最大3年間助成しています。

2026年度の助成上限は次のとおりです。

・高圧受電契約の場合:上限334万円
・高圧受電契約以外の場合:上限18万円

制度の案内では、充電設備のために「一需要場所・複数引込」などの特別措置を利用して新たな電力契約を行うことが要件になっています。

既存の共用部電源から充電設備へ電気を供給する場合など、新しい電力契約を行わないケースは、この基本料金助成の対象にならない可能性があります。

なお、助成対象者は、東京都内に所在する分譲マンションの所有者とされています。

賃貸マンションや事業者所有物件などについては、別制度の対象になる可能性があるため、個別の確認が必要です。

基本料金助成には設置口数の条件がある

電気料金の基本料金に対する助成を受けるには、駐車場区画数に応じた数の充電設備を設置する必要があります。

2026年度に示されている主な基準は次のとおりです。

・駐車場が1区画の場合:1口
・2区画以上9区画以下の場合:2口以上
・10区画以上45区画以下の場合:駐車区画数の20%以上
・46区画以上の場合:10口以上

例えば、駐車区画が30台分あるマンションでは、30台×20%=6口以上が基準となります。

駐車区画が60台分ある場合は、10口以上の設置が基準です。

充電器本体の台数と、実際に同時に充電できる「口数」は一致しないことがあります。

1台の充電器に複数の充電口がある製品もあるため、機器を選ぶ際は本体台数だけでなく、助成制度上の充電口数を確認してください。

マンションへのEV充電設備設置で確認すべきこと

助成金が使えるからといって、すぐに工事へ進められるわけではありません。

集合住宅では、設備の設置後に誰がどのように利用し、費用を負担するかまで決めておく必要があります。

管理組合での合意形成

分譲マンションでは、駐車場や共用分電盤、配線スペースなどが共用部分に該当することがあります。

共用部分へ設備を設置する場合は、理事会や総会での決議が必要になる可能性があります。

まずは管理規約を確認し、次の内容を整理しましょう。

・誰が設備を所有するのか
・工事費を管理組合が負担するのか
・利用者だけが負担するのか
・月額利用料や充電料金をどう設定するのか
・故障や交換費用を誰が負担するのか
・利用者が増えた場合にどう増設するのか

充電器の設置だけを先に決めると、運用開始後に費用負担をめぐってトラブルになる可能性があります。

建物の電気容量

マンションには、建物全体で使用できる電気容量があります。

既存の共用部電源から充電設備へ供給する場合は、照明、エレベーター、給水ポンプ、機械式駐車場などの使用電力も考慮しなければなりません。

電気容量に余裕がない場合は、次のような対応が必要になることがあります。

・同時に充電する台数を制御する
・充電出力を抑える
・負荷制御機能付きの充電設備を導入する
・充電設備専用の電力契約を新設する
・幹線や分電盤を改修する
・受変電設備を増強する

単純に充電器の定格出力と台数を掛けただけでは、実際に必要な電力を判断できません。

建物の最大需要電力や既存設備の使用状況を確認したうえで設計する必要があります。

配線経路と駐車場の構造

充電設備の工事費は、分電盤から駐車区画までの距離によって大きく変わります。

特に地下駐車場、立体駐車場、機械式駐車場では、配管や配線を通す場所が限られます。

現地調査では、主に次の項目を確認します。

・分電盤から駐車場までの距離
・配線を通せる天井や壁があるか
・道路や通路を横断する必要があるか
・コンクリートの穴あけが可能か
・防火区画を貫通するか
・機械式駐車場の可動部分に干渉しないか
・充電ケーブルが通行の妨げにならないか
・雨水や車両接触から設備を守れるか

図面だけでは確認できない部分も多いため、正確な見積もりには現地調査が必要です。

利用料金の徴収方法

複数の居住者が利用する場合、充電に使った電気代を誰がどのように支払うかを決めなければなりません。

主な運用方法には、次のようなものがあります。

・月額固定料金
・利用時間に応じた課金
・充電電力量に応じた課金
・充電サービス事業者による認証・課金
・管理組合が電気料金を集計して請求

月額固定料金は管理しやすい一方で、利用量に差があると不公平感が生じます。

従量課金は公平性を保ちやすいものの、計測器や通信機能、管理サービスの費用が発生する場合があります。

設置費用だけでなく、通信費、決済手数料、保守費、電気料金なども含めて比較しましょう。

補助金を利用するときの注意点

工事契約前に申請手順を確認する

助成制度によっては、交付決定前に契約や工事を行うと対象外になる場合があります。

充電設備の導入を決めたら、次の順序を必ず確認してください。

1.現地調査
2.設備計画と見積もりの作成
3.管理組合での決議
4.助成金の申請
5.交付決定または事前申込
6.契約・着工
7.工事完了
8.実績報告

実際の手順は利用する助成区分によって異なります。

過年度の資料や別の制度を参考にせず、2026年度の申請手引きを確認してください。

国の補助金と対象機器を確認する

東京都の助成対象設備には、国の「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」で交付対象として承認された設備であることなどの条件があります。

同じメーカーの充電設備でも、型番によって対象になるものと対象外のものがあります。

見積書には、メーカー名と商品名だけでなく、正確な型番を記載してもらいましょう。

助成金だけで工事会社を選ばない

EV充電設備は、充電器本体を壁や柱に取り付けるだけの工事ではありません。

既存の受電設備、幹線、分電盤、漏電保護、接地、配線経路などを確認し、安全に使用できる設備を設計する必要があります。

助成金申請に対応できることに加え、集合住宅の電気設備を確認できる施工業者へ相談することが重要です。

まとめ|マンションEV充電設備は運用まで含めて計画する

東京都では、2026年度もマンションなどの集合住宅へ設置するEV充電設備について、設備購入費や設置工事費を助成しています。

さらに、一定の条件を満たす分譲マンションでは、充電設備用に新たに契約した電気料金の基本料金について、最大3年間の助成を受けられる可能性があります。

ただし、導入前には次の点を確認する必要があります。

・管理組合で必要な決議
・充電設備の設置台数と口数
・既存の電気容量
・分電盤から駐車場までの配線経路
・利用者と費用負担の範囲
・充電料金の徴収方法
・設備の保守や故障時の対応
・国と東京都の対象機器要件
・助成申請と工事契約の順序

マンションのEV充電設備は、現在の利用者だけを想定するのではなく、将来のEV普及や充電器の増設も含めて計画することが大切です。

株式会社KOI-DENでは、練馬区桜台を中心に、マンションや集合住宅のEV充電設備に関する電気工事のご相談を承っています。

EV充電設備を設置できる電気容量があるか、駐車場まで配線できるか、どのような工事が必要になるかなど、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

【参考資料】

・東京都
「EV充電設備の導入及び運営への支援を開始します!集合住宅等への充電設備普及促進事業開始のお知らせ」2026年6月公表

・クール・ネット東京
「マンション充電設備普及促進事業(電気料金の助成)」

※助成制度の受付期間、予算、対象設備、助成上限、申請条件は変更される場合があります。申請前に東京都およびクール・ネット東京の公式情報をご確認ください。

Translate